開業1年目っていっぱい経費がかかるよねー。これも全部経費に入れちゃおう!
ちょっと待ってください!全部経費に入れると損をしてしまいます
開業1年目の経費をすべて経費に入れようとしていませんか?
実はあえて経費に入れない方が得なこともあるのです。
といっても経費を放棄してしまうわけではありません。
来年以降の経費にできるものは、来年以降の経費にしましょうということです
今回の記事では開業1年目の損をしない経費の計上方法をお伝えします。
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開業1年目の損をしない経費の計上方法
開業1年目はとにかく利益がでません。
- 年の途中で開業している。(12か月分の売上がない。)
- 開業直後は売上が少ない。
- 開業の準備で経費がたくさんかかる。
利益が出ないということは、所得税の税率は低くなります。
つまり税率が低い今年より、税率が上がる来年以降に経費を計上した方がお得!
なぜ、税率が高い年に経費にした方が得なの?
所得税は利益が出れば出るほど高い税率が適用される仕組みになっています。
そのため、同じ経費でも税率が高い年に計上した方が、節税できる額が大きいのです。
1年目の利益が100万円、2年目の利益が500万だとして、経費を30万使った時の税金はこれだけ違います
1年目 | 2年目 | |
---|---|---|
利益 | 100万円 | 500万円 |
適用される税率 | 5% | 20% |
経費を30万円使った のときの節税額 | 15,000円 | 60,000円 |
※所得控除などはないものとして計算しています。
どれぐらいの利益にどれくらいの税率がかかるかは、こちら(国税庁HP)をご覧ください。
じゃあ今年の経費を全部来年に回してもいいの?
全部はできません。来年以降に回せるものをみていきましょう
来年以降に経費にできるもの
今年使った経費の中で、次のものは来年以降の経費に回すことができます。
- 開業の準備にかかった費用(開業費)
- 10万円以上の備品、消耗品(青色申告をしている場合)
開業の準備にかかった費用(開業費)
具体的には次のようなものになります。
- 開業するまでの事務所の家賃
- 開業のために必要はホームページ作成費用
- 開業に必要な事務所の備品(10万円未満のもの)
これらは今年の経費にせずに来年以降の経費にすることも可能。
そして開業費をいつ経費に計上するかは、「自由」とされています。
自由なら税率が低い年の経費にするのは、もったいないね
開業費は2年目以降の経費にすることをおすすめします
10万円以上の備品、消耗品
10万円以上の備品や消耗品の取り扱いは、青色申告をしているかどうかで変わってきます。
青色申告をしていない場合
10万円以上の備品や消耗品は、一括で経費に計上することができません。
資産に計上して減価償却をしていくことになります。
青色申告をしている場合
10万円以上、30万円未満の備品や消耗品であれば、一括で経費にするか資産に計上して減価償却をするかを選択できます。
ただし開業1年目の所得税の税率が低ければ、一括で経費にするのはもったいないかも。
あえて開業1年目の経費に計上せずに、資産に計上して減価償却していくことで、翌年以降の経費にすることができます。
まとめ
開業1年目はとにかく経費がたくさんかかります。
なんでもかんでも経費に入れてしまいがちですが、「開業費」と「10万円以上の備品」については来年以降に回した方が得かもしれません。
将来税率が上がった時のために経費をとっておくと、節税できる額が大きくなります。