今まで10年間税理士として働き、100人以上の経営者を見てきました。
その中で、気が付いたことがあります。
「責任が重い仕事」だからといって、儲かるわけではない
- 会社から重い責任を負わされているのに、給料は安いサラリーマンの方
- 毎日プレッシャーを感じて仕事をしているのに、全然儲からない経営者の方
毎日責任に苦しんでいる方が、たくさんいらっしゃると思います。
こういった方へむけて、「責任と報酬は比例しない」という、一つの気づきを与えることができればと思います。
名前:スフィンクス(税理士)
税理士業界で、10年間経験を積んだのち独立。
小規模事業者の経営支援や、法人化コンサルを中心に活動中。
私の詳しいプロフィールはこちらです
報酬は責任ではなく、希少性に比例する
報酬をたくさんもらうには、大きな責任を負うしかないと思っていませんか?
冒頭でも述べましたが、責任と報酬は比例しません。
なぜなら、報酬は責任ではなく、希少性に比例するからです。
報酬に比例する希少性とは?
希少性は、ただ珍しいことを指すのではありません。
希少性とは、「供給より需要の方が、とても多い状態」を言います。
<例えばの話>
世界に1個の商品を、喉から手が出るほど欲しい人が10人いたとします。
10人は、お金をたくさん払うから自分に売ってくれと思うでしょう。
こんなとき、一番高いお金を払ってくれる人に売るだけで、高い報酬を得ることができます。
ここで、責任、希少性、報酬の関係性を分かりやすくするため図にしてみました。
上記について、詳しく解説していきます。
責任が小さく、希少性も低いケース(青色のゾーン)
こちらのゾーンでは、次のような仕事が該当します
- 大企業の一般職
- 公務員
これらの職業は、責任・希少性がともに高くないため、報酬は高くなりにくいです。
責任が大きく、希少性が低いケース(黄色のゾーン)
こちらのゾーンでは、次のような仕事が該当します。
- 大半のサラリーマン
- 保育士
- 介護士
- 飲食店経営
- 美容院経営
- ライバルが多い大半の自営業
これらの職業は、責任が大きいですが、希少性が高くないので、報酬は高くなりにくいです。
いくら責任を抱えても、希少性を高めないと報酬は増えないのです。
責任が大きく、希少性も高いケース(赤色のゾーン)
特殊な能力が必要な仕事で、かつ失敗したときの責任が大きい仕事がこちらのゾーンに入ります。
- 大企業の会社役員
- 医師
- 弁護士
これらの仕事は責任が大きく、希少性も高いので当然もらえる報酬は高くなります。
- 会社役員などは、株主に訴訟を起こされると、何億円もの損害賠償責任を負ってしまうことも。
- 医師も、人の命がかかっているプレッシャーがあります。また、医療ミスで賠償責任を負う可能性もあります。
たとえ高い報酬をもらえたとしても、割に合っていないのかもしれません。
【結論】責任が小さく、希少性が高いケース(緑色のゾーン)を目指す
結論ですが、責任が小さくても希少性が高ければ、報酬は高くなります。
希少性が高ければ、毎日責任に怯える必要もなく、高い報酬を得ることが可能。
では、責任が小さく、希少性が高い仕事とはどのような仕事なのでしょうか?
責任が小さく、希少性が高い仕事とは?
スモールビジネスを、自分で作ることです。
- 責任が小さい仕事
- 希少性が高い仕事
この2つを満たすには、サラリーマンでは不可能です。
なので、自分で作りだすしかありません。
なぜ、サラリーマンでは無理なの?
会社という、枠組みの中で働かなければいけないからです
仮にものすごく仕事ができるサラリーマンだったとしても、会社の商品、取引先、システムがあるからこそ、良い仕事ができるのです。
誰かが辞めたら、別の誰かを補充すればいいだけ。
代わりがあるものは、希少性が高いとは言えないですよね。
スモールビジネスの責任とは?
でも、スモールビジネスを自分で作るのは、ものすごく責任が重そうだよ?
もちろん、自分でビジネスを作るには責任が伴います。
自社のサービスや商品に対して、責任が持てないと誰も取引してくれません。
ただし、スモールビジネスなら「責任をある程度コントロールできる。」という特徴があります。
- 人の命に関わるような仕事を受けない
- プレッシャーを感じる仕事を受けない
- 外注する
- 別の誰かに丸投げし、紹介料をもらう
- 人を雇わない
- 固定費を少なくしておく
- 責任を補填してくれる保険に加入しておく
小回りが利くスモールビジネスだからこそ、できることだね
もちろん自分でビジネスをしている以上、責任はゼロにはできません。
なので、自分が許容できる範囲で責任を負いましょう。
そして希少性を最大限に発揮していきましょう。
目指すのはこのあたりが良いと思います
スモールビジネスで希少性を獲得するには?
結論は、顧客のニーズを徹底的に考えることです。
顧客の心理を理解し、潜在的に求めていることまで考えてみましょう。
きっと、あなただからこそできる、新たなサービスや商品のアイデアが浮かぶはず。
特別なスキルは必要ないの?
特別なスキルは、あるに越したことはありません。
ただし、それが顧客に求められなければ、ただ珍しいだけです。
大切なのは、顧客に喜んでもらうことを考える。
シンプルですが、これだけです。
まとめ:責任ではなく、希少性で勝負すべき
責任が大きいからと言って、報酬が高くなるわけではありません。
報酬が高い理由は、責任が大きいからではなく、希少性が高いからです。
なので私は、大きな責任からは逃げるべきだと思っています。
大きな責任を負うことは、人生のリスクが高すぎます。
失敗すると、大切なものを失うかもしれません。
それよりも、希少性を高め、小さな責任で効率よく稼ぐのが、賢い生き方ではないでしょうか?