売上が1,000万円を超えたんだけど法人化したほうがいいの?
売上1,000万円超えたら法人化すべきか?
今回はこの疑問に応えていきたいと思います。
さっそくですがこの疑問の結論です。
- 売上1,000万円は法人化は一つの基準。
- ただし、それだけで法人化を決断するのは早すぎる。
理由を詳しく解説していきます
なぜ売上1000万円が法人成りの基準か
売上が1,000万円を超えると消費税を払う義務が発生します。
売上が1,000万円を超えると法人化した方がいいと言われているのは、法人化により、さらに2年間消費税を払わなくて済むから。
どのような場合に消費税を払わなくていいか知っておきましょう
消費税の支払い義務は「2年前の売上が1,000万円を超えたかどうか」で決まります。
<個人事業主の開業1年目・開業2年目>
⇒2年前の売上が存在しないので、消費税を払う義務なし
<個人事業主の開業3年目以降>
⇒開業1年目の売上が1,000万円を超えていれば、消費税を払わないといけない
上記のように開業3年目以降は、2年前の売上次第で消費税を払うことになります。
会社を設立したら、どうなるの?
会社の場合も、2年前の売上が存在しない第1期、第2期は消費税を払う義務はありません。
※消費税が免除になるには売上と給料の要件があります。
つまり法人化すれば、さらに2年間消費税が免除に。
このように法人化により消費税を2年間回避できるのが、売上1,000円が法人化の基準と言われている理由です。
売上1000万円を超えただけで法人化の決断は早い理由
消費税が免除になるなら法人化したほうがよくない?
一見そう思えますが、思わぬ落とし穴があります。それは・・・
- 業種によって節税できる消費税額が全く違う
- 節税額よりコストが上回る可能性が高い
業種によって節税できる消費税額が全く違う
同じ売上1,000万円でもどんな業種で事業をしているかによって、納める消費税が全く違います。
そのため「せっかく法人化したのに思ったより節税できなかった。」ということもあり得るのです。
業種によって払う消費税が違う理由
同じ売上でも業種によって払う消費税が全く違います。
まずはご自身の業種でどの程度消費税がかかってくるか知っておきましょう。
<売上が1,000万円の場合の払う消費税の目安>
業種 | 消費税額 |
---|---|
卸売業 | 10万円 |
小売業 | 20万円 |
製造業 | 30万円 |
建設業・飲食業 | 40万円 |
サービス業 | 50万円 |
※こちらの表は業種ごとに平均的な消費税の納税額を計算したものです。
上記の表の通り、卸売業が最も少なく、サービス業が最も多くなります。
つまり売上1,000万円で法人化した場合、サービス業が一番節税のメリットを受けれますが、卸売業はあまり節税のメリットがありません。
節税額よりコストが上回る可能性が高い
法人化した場合、個人事業主のときよりもコストが多くかかります。
- 設立費用
- 社会保険料
- 住民税の均等割り
- 税理士報酬
上記4つのコストは、年間で100万円以上になる可能性もあります。
売上1,000万円の場合、もっとも節税額が大きいサービス業でも節税額の目安は50万円ほどです。
節税したいのに、コストの方が大きくなったら本末転倒。
節税額とコストをよく比較しましょう。
コストの方が大きくても法人化したほうがいいケースもあります。
詳しくはこちらを参照ください。
まとめ
売上1,000万円は法人化の一つの基準と言われているのは、法人化により消費税の免除を受けるためです。
ただし消費税を節税できる額は業種によって大きく違いますし、節税額よりコストが大きくなる場合もあります。
しっかりとシミュレーションをしてから法人化しましょう。