会社設立するには資本金はいくらにしたらいいの?
ケースバイケースです。ご自身の事業に合った資本金を設定しましょう
会社を設立するにはまず「資本金」を用意しなければなりません。
といっても「資本金とは、いったいどのようなお金なのか?」を説明できる方は、少ないと思います。
そこで本記事においては、資本金に関する疑問を全て解決していきたいと思います。
- そもそも資本金とは何か?
- 資本金には、どのような制約がある?
- 資本金はいくら用意すればいい?
- 資本金で税金はどう変わる?
名前:スフィンクス(税理士)
税理士業界で、10年間経験を積んだのち独立。
小規模事業者の経営支援や、法人化コンサルを中心に活動中。
私の詳しいプロフィールはこちらです。
そもそも資本金とは何か?
- 資本金とは?
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会社設立時に個人から会社に入れる(出資する)お金のこと
個人から会社にお金を出資すると、今までと何が変わるの?
出資したお金(現金)は、会社のお金です。
つまり「個人が勝手に引き出したり、使ってはいけない」お金になります。
一旦会社のものになったお金を、再度個人で自由に使えるようにするには
- 役員報酬
- 役員借入金の返済
- 立替経費の精算
といった名目で、会社から個人にお金を移す必要があります。
会社のお金は自分のお金じゃないの?
会社に出資をしているので、会社の財産は間接的には自分の財産です。
つまり資本金は「間接的には自分のお金だが、自由に使えない制約があるお金」ということを覚えておきましょう。
資本金は最低いくら必要?
資本金は自由に使えない制約があるお金ですので、最低限にしたいところです。
ですが、資本金が少なすぎても色々な問題が発生してしまいます。
資本金が少ないと、法人口座が作りにくい
資本金が少ないと、法人口座の審査が通りにくいです。
銀行の審査基準は公表されておらず確かなことは分かりません。
ですが、資本金が多ければ多いほど銀行の審査に通りやすいのは間違いないです。
資本金が少ないと、運転資金がすぐに尽きる
たとえば、資本金30万の会社を設立した場合、会社の設立費用で資金のほとんどを使ってしまいます。
そのため、残りのわずかな資金で会社を運営していく必要があります。
売上が発生するまでに時間がかかる事業の場合は、資本金を多めに用意した方が良いでしょう。
資本金は最低でどれくらい必要?
法人口座の審査や運転資金の事を考えると、最低でも100万円は用意したほうが良いでしょう。
資本金は税金に影響するので注意!
資本金は「消費税」と「住民税の均等割り」に影響してきます。
消費税
会社を設立した1年目と2年目は、消費税の納税が免除されています。
しかし、設立時の資本金が1000万円以上の場合は消費税の免除が適用されず、1年目から消費税の課税事業者になります。
住民税の均等割り
「住民税の均等割り」は、会社が存在するだけで払わなけらばいけない住民税です。
自治体によって金額は異なりますが、資本金が1000万円以下の法人は年7~8万円程度となっています。
ところが資本金が1000万円以上の法人は、年約20万円程度の住民税の均等割りがかかります。
上記のことから、特別な事情がない限り資本金は1,000万円未満にしたほうが良いでしょう。
法人化の資本金は100万円以上、1,000万円未満がおすすめ
資本金が少なすぎると、法人口座が作りにくかったり、運転資金がなくなったりといった問題が発生します。
逆に資本金が多すぎても、税金上のデメリットが発生してしまいます。
設立時の資本金は100万円以上1,000万円未満の間で、ご自身の事業にあった資本金を設定しましょう。