会社は黒字の方が良いイメージだけど、黒字だと税金かかるし………赤字にしたらダメ?
法人化したら「赤字」と「黒字」どちらがいいか?
今回はこちらのお悩みに応えていきたいと思います。
早速ですが、結論です。
- 法人化の目的が事業拡大⇒黒字の方がいい
- 法人化の目的が節税⇒赤字でもいい
会社を設立する目的は、大半の場合は事業の拡大か節税です。
そしてどちらが目的なのかによって、目指す方向性が180度違います。
この記事では、正しい方向に向かって会社を運営するための考え方をお伝えします。
法人化節税の専門家が書きました。私のプロフィールはこちら。
法人化の目的は事業拡大OR節税
法人化で事業を拡大
法人化すると個人事業主の時よりも、対外的な信用力が高くなります。
- 銀行から融資を受けられる額が大きくなる。
- 大きな会社と取引できる可能性が高くなる。
- 優秀な人材を確保できる可能性が高くなる
銀行からの融資額が増える
法人化すると銀行からの評価が高くなり、お金を借りれる金額が大きくなります。
事業拡大のためには資金が必要なので、借りられる額は多いほどいいです。
大きな会社と取引できる可能性が高まる
どの会社も信用できない相手とは取引をしたがりません。
個人事業主の信用力は、残念ながらそれほど高くはないです。
個人であるために取引を断られることも・・・
法人化すれば大口の取引先を開拓できるかもしれません。
優秀な人材を確保できる可能性が高まる
求職者の立場でも、社会保険に加入していて、安定している会社に入りたいのが心情です。
優秀な人材を確保するためには、会社にした方が有利でしょう。
社長一人だけの会社でも信用力は上がるの?
上がります。ただし銀行からの評価を上げるためには利益を出すことが条件です。
信用力を高めたいなら
会社の信用力の一つの基準が「資本金」。
資本金とは、会社設立時にポケットマネーから会社に入れるお金のことです。
資本金は大きいほど対外的な信用力が高くなります。
登記簿謄本を取れば、誰でも会社の資本金を調べられます。
もしポケットマネーに余裕があるなら、資本金を多めに入れるのもありです。
ただし、資本金が1000万円以上になると税金が増えるので、最初は1000万円未満にすることをお勧めします。
法人化で節税する
- 利益が沢山でる人にとっては、会社の方が税金が安い。
- 会社から給料をもらうことで給料の控除が使える。
- 2年間消費税が免税になる。
- 経費に入れられるものの幅が広がる。
一般的に所得(利益)が大きければ大きいほど、法人化の節税効果は高くなります。
法人化したほうがいい所得の目安は以下の記事で解説しています。
目的次第で会社の方向性が全くちがう
事業拡大が目的なら利益を出す
事業拡大をするためには会社にたくさんの利益を出さなければなりません。
利益を生み出して、その利益を事業に再投資することで、事業が大きくなる
そして利益が出ると、必然的に発生するのが税金。
税金の計算方法上、利益が出れば出るほど税金が多くなる仕組みになっています。
つまり事業拡大のためには多額の税金は付き物ということです。
事業拡大を考えるなら、税金は利益を出すためのコストと言えますね。
もし赤字になったら銀行からの評価が落ちてしまいます。
銀行の評価が落ちて借り入れができないと、事業を大きくできません。
銀行借入がある場合は赤字にならないように気を付けましょう。
節税が目的なら利益を出さない
節税を目的として法人化した場合は、なるべく税金を少なくしなければなりません。
そのため色々な節税方法を使って会社の利益を減らしていきます。
もちろん会社の税金だけではなく、個人の税金も減らしたいですよね。
会社と個人でトータルの税金が最も少なくなるように会社の運営をしていきます。
銀行借入がないなら会社を赤字にしても問題ありません。
節税が目的なら税金はただの無駄な出費ですね。
- 事業拡大が目的⇒利益を出して税金を払う
- 節税が目的⇒利益を出さずに税金を減らす
目的を見失うと・・
事業拡大が目的なのに節税で無駄な経費を使ったら?
税金は減りますが、事業の拡大に回すお金が少なくなってしまいます。
節税が目的なのに会社で多額の利益を出してしまったら?
法人税をたくさん払わないといけなくなります。
2つの良いとこどり(税金を払わずに事業を大きくする)は絶対にできない仕組みになっています。
ご自身の目的が「事業拡大」「節税」どちらか良く考えてみてくださいね。
まとめ
会社を設立する方の目的は「事業を拡大したい」と「節税したい」のいずれかの目的があります。
- 事業拡大したいなら、利益をだして税金を払う
- 節税がしたいなら、会社に利益を出さない
ご自身の法人化の目的によって、「赤字」「黒字」どちらにするか決めましょう。