老後資金の準備に最適!役員退職金の節税メリット4つ【経営者は必見!】  

役員退職金の節税メリット4つ
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ツタンカちゃん

長期的に節税して、老後資金を貯めるにはどうすればいいの?

役員退職金は、長期的な節税を考えたときに、最も効果がある節税方法です。

ただし、制度が少し複雑なうえ、いくつか注意点もあります。

そこで本記事では、役員退職金を使った節税方法と役員退職金の注意点を、分かりやすく解説します。

この記事を読むと
  • 役員退職金の節税メリットが分かる
  • 役員退職金の注意点が分かる
  • 具体的にどのような準備をしていけばいいか分かる
この記事を書いた人

名前:スフィンクス(税理士)

税理士業界で、10年間経験を積んだのち独立。
小規模事業者の経営支援や、法人化コンサルを中心に活動中。

スフィンクス所長

私の詳しいプロフィールはこちらです

目次

役員退職金による節税メリットを理解しよう

退職金は、老後の生活保障の意味合いがあるため、給料や賞与よりも優遇されています。

かかってくる税金等は、給与や賞与よりも圧倒的に安いです。

具体的には、下記の4点が優遇されています。

  1. 退職所得控除が使える
  2. 所得を半分にできる
  3. 他の所得と分けて、単独で税率が決まる(分離課税)
  4. 社会保険料がかからない
スフィンクス所長

詳しくみていきましょう

退職所得控除

退職所得控除とは?

退職金だけに使える控除のこと。勤続年数が増えるほど控除が増えていく

「退職所得控除」は、何年勤務したかによって金額が変わります。

控除額の計算方法は、下記の通りです。

スクロールできます
勤続年数退職所得控除
20年以下40万円 × 勤続年数
20年超800万円 + 70万円×(勤続年数-20年)

<具体例1>

勤続年数 15年
退職所得控除⇒ 40万円 × 15年 =600万円

<具体例2>

勤続年数 25年
退職所得控除⇒ 800万円 + 70万円×(25年-20年)=1,150万円

ツタンカちゃん

勤続年数が長くなるほど、控除が増えるのね

退職所得控除を使ったうえで、さらに所得を半分にできる

退職所得控除を使ってもまだ所得がある場合は、さらに所得を半分にできます。

<具体例>

勤続年数 :15年
退職金  :800万円

退職所得控除⇒ 40万円 × 15年 =600万円
退職所得 ⇒(800万円 - 600万円)×1/2=100万円

給与所得や事業所得とは別に税率が適用される(分離課税)

給与所得や事業所得は、所得を全て合計して税率が決まります。

所得税率は、所得が多くなるほど税率が高くなる累進税率が適用されるため、給与所得や事業所得は税率が高くなりがちです。

それに対して退職所得は、退職所得だけで税率が決まるので、比較的低い税率が適用されることが多いです。

社会保険料がかからない

退職金には、社会保険料がかかりません。

そのため、給与や賞与と比べて手取り額は大幅に増えます。

<給与や賞与の社会保険料>

従業員負担分と会社負担分を合計すると、額面の約25~30%にもなります。

退職金はこんなに手取りが多くなる

上記の通り、退職金には様々な優遇措置があるため、給料に比べて手取りが額が多くなります。

勤続年数が20年の場合に、どれくらい手取り額が多くなるか

  • 1000万円を給料としてもらった場合
  • 1000万円を退職金としてもらった場合

とを、比較してみました。

項目給料退職金
額面1,000万円1,000万円
社会保険料
(会社負担分込み)
255万円0
所得税65万円5万円
住民税55万円10万円
手取り額625万円985万円
手取り額のざっくり試算


項目給料退職金
額面1,000万円1,000万円
社会保険料
(会社負担分込み)
255万円0
所得税65万円5万円
住民税55万円10万円
手取り額625万円985万円
手取り額のざっくり試算
ツタンカちゃん

退職金の方が360万円も手取りが多くなるのね!

役員退職金の注意点を知ろう

退職金は税金がかなり優遇されているので、その分税務署のチェックも厳しくなります。

ルールを守らないと、退職金扱いにならず、多額の税金が取られてしまいますので注意しましょう。

実質的に退職していないといけない

「退職金」として認められるには、形式的に役員を退くだけでなく、実質的に退職している必要があります。

実質的に退職とは?

経営から完全に離れ、会社の重要な意思決定(人事や資金調達など)に関与していない状態

実質的に退職していなければ「退職金」が認められない可能性があります。

「退職金」を支給する際は、役員を退任しているだけでなく、「実質的にも退職しているか」もチェックしましょう。

ツタンカちゃん

後継者がいないときは、どうやって退職すればいいの?

後継者がいないなら、会社が存在する限り役員を退任できません。

なので、会社を解散して退職金を受け取ることになります。

5年以上役員として勤務する

「退職金」のメリットのひとつ「所得を半分にできる」については、5年以上勤務した場合のみ適用されます。

節税メリットを最大限に活かしたいなら、5年以上勤務してから退職金を受け取るようにしましょう。

法人の経費にできる金額には限度がある

法人側の立場からすると、退職金の支給により多額の経費計上が可能です。

しかし、法人の経費にできる金額には適正額があり、適正額を超えてしまった金額は経費計上できないのです。

役員退職金の適正額

適正額=最終報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率※

※功績倍率は役職によって異なりますが、代表取締役の場合は3.0が使われることが多いです。

<具体例>

最終報酬月額:30万円
勤続年数  :20年
功績倍率  :3.0

適正額 ⇒ 30万円×20×3.0 =1,800万円

法人に多額の経費を計上できると、今期の税金が減るだけでなく、場合によっては前期の税金も取り戻せます。

「役員退職金」を支給する際は、「役員退職金の適正額」にも注意しておきましょう。

役員退職金の原資を用意しよう

退職金で節税したくても、会社に退職金の原資(お金)がなければ、退職金を払えません。

スフィンクス所長

ここからは退職金で節税するための、原資の準備方法を紹介します

方法1 会社に少しずつ利益を貯めていく

退職までの期間、会社に少しずつ利益をためていく、オーソドックスな方法です。

利益を出せば、自然に会社のお金が増えていきます。

利益を出して増えたお金を原資として、役員退職金を支払います。

この方法のメリット

増えたお金を、臨機応変に使えることです。

投資に回してもいいですし、場合によっては新規事業のために使ってもいいです。

この方法のデメリット

利益を出すたびに、法人税等がかかることです。

  • 年間800万円までの利益なら約23%
  • 年間800万円を超える利益は約35%

の法人税がかかります。


方法2 役員退職金保険に加入する

退職までの期間、役員退職金を準備するための生命保険金に加入します。

毎年保険料を払っていき、退職時に保険を解約します。

そして、受け取った解約返戻金を原資に、役員退職金を支払います。

この方法のメリット

毎年払った保険料が経費になるため、法人税等を回避しながら退職金の原資を準備できます。

また、万が一自分が死亡してしまったときに、会社に対して死亡保険金が支払われます。

死亡保険金は、死亡退職金という形でご家族に支給すれば、少ない税金でご家族の生活保障ができます。

この方法のデメリット

保険金は多くの場合、元本割れします。(保険料の支払総額より、解約返戻金の方が少なくなる)

また、いったん保険会社に払ってしまった保険料は、解約まで自由に使えないこともデメリットです。

結論:役員退職金を活用して節税しよう

役員退職金は、長期的な節税を考えるうえで最も効果がある方法です。

圧倒的に税金が安いだけでなく、社会保険料もかかりません。

給料で貰うと機と比較すると、手取り額はかなり多くなります。

役員退職金を支払う際は、5年以上勤務し、適正額の範囲で支払いましょう。

また、退職金の原資をどのように用意するかも考えておきましょう。

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役員退職金の節税メリット4つ

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