
請求書に領収書・・・紙が多すぎてもう無理やー、全部捨てたいー
そう思っている方に朗報です!
先日発表された※税制改正大綱に、ペーパレス化を促進するための方針が盛り込まれました。
※法律の改正案の方向性を決めるものです。毎年12月に発表されます
ペーパレス化を進めると
- 紙の購入費用が減る
- 印刷代が減る
- 保管場所に困らない
- 保管費用が減る
- すっきりと気持ちよく仕事ができる
といった様々なメリットがあります。
これを機にペーパレス化を検討してみてはいかがですか?
今回の記事は
- ペーパレス化がどう変わるか
- 法律が変わる令和4年(2022年)までにすべきこと
について解説します。
なお、この記事は小規模な事業者を想定しています。

この記事を書いた私のプロフィールはこちらです。
令和4年(2022年)から変わるペーパレス
ペーパレス化の法律は令和4年(2022年)1月1日から変わることになりました。
つまり令和3年12月31日までは前の法律が適用されてしまいますので、ご注意ください。
- 書類の電子化(ペーパレス化)の申請が不要
- 書類の電子化(ペーパレス化)の要件が緩くなる
書類の電子化(ペーパレス化)の申請が不要
これまで書類のペーパレス化をするためには、ペーパレス化を始める3か月前までに税務署に申請をする必要がありました。
令和4年1月1日以降は、税務署への申請は不要になり、いつからでもペーパレス化を始めることができます。

やる気になったら即実行できるってことだね!
書類の電子化(ペーパレス化)の要件が緩くなる
今まではペーパレス化して、紙の原本を破棄するためには厳しい要件がありました。
令和4年1月1日からは、ペーパレス化の要件が緩くなります。
- スキャナ保存のタイムスタンプの付与期限が3日⇒2ヵ月に延長
- 適正事務処理要件の廃止
タイムスタンプの付与期限が3日⇒2ヵ月に延長
書類を電子データで保存する場合には、改ざん防止の意味でタイムスタンプを付与することが要件とされています。
タイムスタンプとは、「その時点でそのデータが存在し、それ以降は改ざんされていないです。」ということを証明してくれる証明書のようなものです。

郵便局の消印と同じだね!
今までは紙の書類をスキャンなどでデータ化する場合、書類を受け取ってから3日以内に電子化して、タイムスタンプを付与が必要でした。
この「3日以内」が令和4年以降は「2ヵ月以内」に代わりますので、余裕をもってデータ化できるようになります。
適正事務処理要件の廃止
書類を電子データで保存する場合は、改ざん防止のために次の3つの要件がありました。
相互牽制要件 | スキャン担当、タイムスタンプ担当など担当者を分け、牽制できる仕組みにすること。 |
定期チェック要件 | 定期的に改ざんされていないかチェックする仕組みにすること。 |
再発防止要件 | もし何かの不備があった場合、不備の報告と改善がされる仕組みにすること。 |
令和4年以降は上記の要件が廃止されるため、今よりも緩くペーパレスに取り組めます。

とはいっても自主的に不正が起きないような仕組みは作った方がいいです
令和3年(2021年)中にすべきこと
ペーパレス化の法律改正がされるまで、あと1年間あります。
ペーパレス化を検討している方は、2021年中に次のことをしておきましょう。
- 電子化(ペーパレス化)できる書類のピックアップ
- スキャナーとタイムスタンプを検討
- 社内の仕組みを考える
電子化(ペーパレス化)する書類のピックアップ
社内の書類にどんなものがあるか確認し、ペーパレス化できるものをピックアップしましょう。
自社作成の書類についてはデータが社内にあるので、スキャンは不要ですし、タイムスタンプもいりません。
ペーパレス化の難易度は低いでしょう。
自社作成の見積書、請求書、納品書など
次に、他社作成の書類になりますが、こちらは紙しかありませんので「スキャン」と「タイムスタンプの付与」が必須になります。
そのため、他社作成の書類の方が、ペーパレス化の難易度は高くなります。
他社作成の見積書、請求書、納品書、領収書など
スキャナーとタイムスタンプの検討
他社作成の見積書、請求書、納品書、領収書等にはスキャンとタイムスタンプが必要です。
スキャナーの検討
- 何をスキャンするか
- 何人でスキャンするか
- どこでスキャンするか
によって、必要なスキャナーは違ってきます。
スキャンの方向性を決めたうえで、スキャナーの購入を検討しましょう。
タイムスタンプの検討
現状では複合機で付与するタイプと、ソフトウェアで付与するタイプがあります。
お使いの事務機器やソフトウェアと親和性があるものを選びましょう。
社内の仕組みを考える
令和4年1月1日で適正事務処理要件が廃止されますが、社内の仕組みは大切です。
- データが消えてしまった
- データが変わってしまった
- データを探すのが大変になってしまった
ということが起こります。
最低限の仕組みは必ず作るようにしてください。
- 書類受領から原本破棄までの流れをマニュアルにしておく
- どこの作業を誰が担当するか決めておく
まとめ
令和4年(2022年)1月1日からペーパレス化がしやすくなります。
ペーパレス化によって、様々なメリットがありますので、今から準備することをおすすめします。

時代の流れにうまく乗っていきましょう!